2011年2月22日火曜日

システムをSSDにするにあたって

年末に新しく導入したPCはシステムをSSDにしました。

SSDは容量と値段のバランスからMLCタイプを選んでいます。

MLCは書き換えが1万回とか言われているので、
システムに採用するのはどうかなと思っていましたが、
最近はMLCタイプのSSDをシステムディスクに採用しているPCも結構見かけるし、
MacBookAirもそうですから、いいんじゃないの、と軽い気持ちで採用しました。

それに


を拝見していますと、Intelなど信頼できるメーカーのものであれば、
そんなに寿命を気にする必要はないかなと思えます。
それに決してHDDの方がSSDより長持ちするってことも言えませんしね。

ちなみに僕が使っているのはIntel X25-M 120GBです。
フォーマット後は約111GBになります。
そこにWindows7 64bit Professional、
さらに音楽制作ソフトやら事務用ソフトやら結構な数をインストールして
現時点では空き容量53GBです。

120GB以上を選んでおけば、まず大丈夫でしょう。
あと寿命の点からも空き容量がある程度ある方が安心です。

さて、最近のSSDはそんなに寿命を気にしなくてもよいだろうと書きましたが、
それでもなるべく書き換えは減らすようにしたいものです。
精神衛生上からも。
でも神経質過ぎるのも考えもの。書き換えを減らそうとする余り、
何でもかんでもHDDに移動させていては、SSDのメリットも薄れていきますからね。

現状僕がやっているのは次のことです。

1.メールデータ、一時ファイルなど頻繁に書き換えが行われるものはHDDに移動させる。
ただし、簡単にできる範囲で。
ユーザーフォルダをすべてHDDに移動させたりはしていません。
ドキュメント、ミュージック、ダウンロードフォルダなど基本的なところだけ。

メールソフト、ブラウザ、それぞれで一時ファイルの場所とか、データ保存先は設定
できるはずなので、それは各ソフトでやっていきます。
いまやっているのはメールソフトのThunderbird、IE、Evernoteなどですね。
GoogleChromeは簡単にソフトで設定はできないみたいなので、
いまのところ、そのままです。つまりSSDにあります。

ただ、このように設定しても、試しにシステムディスクで
今日の日付で更新されたファイルを検索すると、
ぞろぞろ出てくるんですよ。
なので、この辺は実は気休め程度かとも思ったりするんですが、
それでもやらないよりはいいと思うので、という感じです。

※ユーザーフォルダを移動させると、この部分はぐんと減らせるようには思うのです。
ただ、どうも上手く行きませんでした。移動はさせられたのですが、
デスクトップの設定が初期化されてしまっていたり、
ログイン時に少し時間が掛かったり等々。多分失敗しているからでしょうが。 
2回ほど試してみましたが、駄目で、これ以上時間を掛けるわけにもいかず、
現時点では取りやめることにしました。
今後もよほど気が向かないとやらないかも。いい意味での割り切りもできました。

あと、OSが管理している一時フォルダの場所は次のようにして変更します。



現在はIドライブ(HDD)に設定しています。

2.ページングファイルはシステムディスクは「なし」にして、HDDに。

ページングファイルの容量は1024MB。
システム管理だと35GBくらいに設定しようとするんですけれど、
RAMが24GBあるから、1GBくらい設定しておけば十分らしいので。
あと初期サイズと最大サイズを同じ値にしておくと、
仮想メモリの断片化を防ぐことができるらしいので、一応そのようにしています。



3.バックアップを常にしっかり取っておいて、ディスク交換が必要になっても
スムーズに復旧できるようにしておく。

現状ではフリーのParagon Backup & Recovery 2011をメインに、
OS標準の「バックアップと復元」も月一くらいで取っています。
Paragonの方はソフトのアップデートとかする前には必ず取っています。
一度バックアップを取ればあとは差分バックアップでOKです。

Paragonでは一度復元テストも行っております。
バッチリ、問題なく復元成功でした。

いくつかSSDをシステムディスクにする際の(僕なりの)ポイントを書きましたが、
なんだかんだいって、結局バックアップが一番大事かなと思います。
そしてこれはSSDに限らずパソコンを使う人すべてにとって大事ですね。

2011年2月5日土曜日

音ネタをSSDに置くことでどれだけ高速化できるか

今回システムをSSDにしましたが、あらゆることが高速でとても快適です。
特にCubaseを起動させながら、ブラウザやメールソフトなどを次々に起動させてもストレスなく、
ササッと立ち上がるのは何とも爽快です。

しかし、音楽制作者にとって最大のメリットはやはり大容量の音ネタに使うことです。

まず第一弾としてSpectrasonicsのOmnisphere、Trilian、StylusRMXをSSDに移しました。
SSDはIntel X25-M 120GB。値段がいま2万円を切るくらいで、速さと信頼性など、
バランスの取れた製品だと思います。
速さではCrucial Real SSD C300が現状最速のようですが、今回はIntelで行きます。

当初お手軽に増設できることからeSATA+2.5インチHDDケースという構成で考えていました。
しかし、eSATAは残念ながら3.0Gbpsと書かれていても、その値は出ないことが分かりました。
ボード次第かもしれませんが、僕が使っているセンチュリー「ポートを増やしタイ」シリーズの
eSATAでは3.0Gbpsと謳われているものの、ベンチマークでは120MB/sくらいしか
出ませんでした。これでは折角のSSDのメリットがありません。
現在内蔵で積んでいるHitachiの7200rpm 2TBでもそれ以上の速度が出ていますから。
まあ静音化にはなりますけれどね。

というわけで、予定を変更して、内蔵ポートに搭載することにしました。
結果260MB/sくらいのシーケンシャルリードとなりました。


 では、実際どのくらい速くなったかを
 簡単に検証してみます。
 Omnisphereの比較的軽いパッチなどは
 瞬時にロードしてしまえて、
 具体的なロード時間を測るのは困難です。
 そこで、激重のTrilianのパッチで、
 ロード時間を測ってみたいと思います。
 計測はiPhoneのストップウォッチを使って、
 パッチ名をクリックした瞬間から計測開始、
 完全にロードが終わったら計測終了とします。
 プリロードメモリーサイズの設定はHDD/SSDとも
 同じで、起動後初めてパッチをロードした時、
 つまり前に読んだサンプルがRAMに残っていない
 状態で測定しました。
 プリロードメモリーサイズは11時くらいの位置でした。
 (左の画像参照)


なお、こういうのはベンチマークと同じで何回か計測してその平均値を出すべきですが、
時間が掛かってしまいますので、1回だけ測った値であることをお断りしておきます。
厳密な検証が目的ではないですので。

●HDD(2TB,7200rpm) ※ライブラリーの移動前に計測 
Trilian AC2 True Staccato(以下AC2)     2374.3MB  39.2
Clean Fender True Staccato(以下Fender) 1183.3MB  28.9
StudioBassAll TrueStaccato(以下SB All)  1176.9MB  34.1

ほぼ同じ容量のCleanFenderとStudioBassに差があるのは、
HDDの記録場所によるものかもしれません(CleanFenderの方が少し外周なのかも)
あるいは、たまたまそうなったという誤差の範囲。
あるいは、容量はほぼ同じでもStudioBassの方がファイル数が多いのかもしれません。

●SSD(Intel X25-M 120GB)
AC2   11.4秒          
Fender 12.7秒        
SB All  12.7秒    

かなり速くなりました。


参考までにメモリー関係の3つのツマミをすべて最小値にした場合の計測結果です。
AC2       10.9
Fender    8.4
SB All    11.4

3つとも9時に設定した場合。 
AC2       11.5
Fender     8.3
SB All    11.2

なぜかプリロード最小よりも早いパッチがありますね。
この辺が1回しか測っていないというアバウトな検証結果ならではですが、
そんなに大きな差はないという印象です。体感的にもそう思いました。

ちなみにOmnisphereの場合、以前ここの値を小さくし過ぎると、
書き出しの際に音飛びを起こしたことがあります。もちろんHDDの時です。
で、12時手前くらいの位置で解決したので、以後Omnisphereはその位置で使っていました。

今回SSDということで最小値で行くか、とも思いましたが、
それによって格段に速くなるわけでもないので、
とりあえず9時ぐらいに設定しておいて、
問題があれば増やすという感じで行こうかと思っています。

なお、Omnisphereの方が経験上Trilianよりも少し多くしておく方がよいと思います。

このようにSSDはやはり相当なメリットがあります。
ただ、eSATA+裸族などの多段ケースで8台増設、なんて目論見は
もろくも崩れ去ってしまいました。


次回はシステムをSSDにするにあたって、僕が注意したことを書きたいと思います。

2011年1月30日日曜日

Windows7 64bitでのCubase環境構築~その他諸々



今回はWindows7 64bit環境構築の際の細々したことを書いていきます。

●PowerCoreX8認識せず

最初PowerCoreX8が認識しませんでした。
サポートに確認したところ、IEEE1394のドライバーをTIやVIAのドライバーでなく、
Legacyドライバーにすれば解決することがあるとのことでした。

試してみたところ、バッチリ解決しました。

ちなみに僕の新しいPCにはIEEE1394aポートが3つありまして、
マザーボード(ASUS P6X58D-E)に搭載されているもの(VIAチップ)が1ポート、
PCIスロットに増設したCENTURY ポートを増やしタイCIF-FW4P3(TIチップ)に2ポート
となっています。

TIの方にはFireface800を接続しており、これはTIのまま活かしておきたかったため
(安定動作もしているし)、VIAの方をLegacyドライバーにしました。

PowerCoreは特にTI必須でもないようですので、問題なく使用できております。

●USBポートの電源供給がPCシャットダウン後も止まらない
これはUSBドングルやバスパワーで動作するUSBキーボード
(Novation ReMOTE61SL)の電源がずっと入りっぱなしになってしまうので、
気になるところです。
案外マザーボード付属のUSBなどはこういう仕様のものが多かったりします。
PCの電源のスイッチを切ればもちろん解決ですが、それもいちいち面倒ですので、
PCIのUSBポートを増設して、そちらにドングルなどを繋ぐことにしました。
これだと、PCをシャットダウンしたら、電源は供給されないのでバッチリです。

Macはきちんと電源供給も止めてくれたんですがね~。

●Wavesの読み込みが遅い(Microsoft Security Essentialsとの関係)

 Microsoft Security EssentialsはOS標準のウィルス、スパイウェアチェックソフトですが、
 これまではこの手のソフトは常駐させないのがDAWの基本だったように思いますが、
 今回はまずオンにして動作を確認してみようと思い、
 現状はリアルタイム保護オンで使っております。

 ただ、これをオンにすると、PCを起動させ、OSが立ち上がってから最初のCubase起動時、
 プラグインスキャンでWavesで40秒程度だったか、正確に測っていませんが、割と長い間
 止まってしまいます。

 これを回避するにはリアルタイム保護をオフにすればよいのですが、
 完全にオフにするのはちょっと気が進みません。
 
 というわけで、Wavesのプラグインフォルダだけ検索場所から除外します。

 Microsoft Security Essentialsを起動させ、
 設定>除外されたファイルと場所 を選択し、追加をクリックする。
 そしてWavesのPlug-Insフォルダを選択します。
 通常のインストールだと次の場所になると思います。

 C:\Program Files(x86)\Waves\Plug-Ins

 そして設定を保存します。

 これでCubase起動時、Cubaseの方のWavesのスキャンは瞬時に済みます。
 
ところで、除外にしたファイルはセキュリティ上、大丈夫なのかということですが、
Wavesのプラグインファイルですから、まあ大丈夫でしょう。それにこれまでのチェックで
Microsoft Security Essentialsだけでなく、他のものでチェックしても
スパイウェアなどが検出されたなんてこともないですので。

気になる人は、最初少々時間が掛かりますが、除外しないでおくという手もあるし、
時々除外から外してスキャンするのもよいでしょう。
あるいは別のウィルス対策ソフトもよいかもしれないです。

なお、リアルタイム保護オンの状態でノイズや音飛び、音切れなどの問題は
現時点では全く起こっておりません。

2011年1月24日月曜日

Cubase32bit版か64bit版か

前回Cubase64bit版はしばらくお預けにするというところまで書きました。
今回はその理由を書いていきたいと思います。
なお、これはすべてのWindows7 64bitユーザーに当てはまるとは限りません。
あくまで僕個人の話というのを一応前提にして頂ければと思います。

※2011年5月以降64bitメインにしました。10月21日更新記事参照

さて、64bit版で32bitプラグインを使用する場合、
jBridgeを使う方法とCubaseのVST Bridgeを使う方法があります。
現状本格的に64bitで稼動させるためには両方があるとよいかもしれません。

VST Bridgeが好ましいもの
・SampleTank2
 jBridgeでマルチアウトを行うとクラッシュしてしまいます。
 試していませんが、おそらくIKの他のマルチティンバー音源も該当するのではないでしょうか。
 SonikSynth2とかMiroslavとか。

jBridgeでしか使えないもの
・Waves(V7での話、V8は未検証)
 これはなぜかVST Bridgeでは認識してくれませんでした。

で、これらを踏まえて、64bitを当面断念した主な理由を書いていきます。

(1)Wavesが64bitネイティブ対応していないこと
 通常使う分にはjBridgeで問題なく使用できます。
 ただし、jBridgeはVST3として読み込んでくれないため、
 サイドチェーンが使えません。
 なので、ベースとキックをサイドチェーンで繋いで、その処理にこだわってみたり、
 VocalRiderでオケのレベルに合わせて動作させるといったことは
 できません。

(2)テスト中にjBridge経由のSampleTankをマルチアウトしようとして
 何度もCubaseがフリーズしました。
 その際強制終了させて、再び開く際、BFD2が組み込まれているプロジェクトファイルが
 BFD2読み込み時にフリーズしてしまいます。
 その際BFD2を再インストールすることで一応解決はしました。
 DLLの入れ替えだけでは駄目でした。

 あと強制終了しなくても、BFD2が原因で止まってしまうことはあったと思います。
 その場合もやはり次の起動時にBFD2のところで止まってしまいます。
 毎回そのたびに再インストールはしていられないですよね。20秒掛からないくらいとはいえ。
 ちなみにjBridgeでもVST Bridgeでも同様でした。
 一番安全なのはVEProの32bit版にBFD2を起動させること。
 これは問題ありませんでした。

 ついでに書くとSampleTankもVEPro32bit版に起動させれば
 マルチアウトも何の問題もありません。


僕の場合はこの2点が最大の64bit延期理由ですね。
なので、2011年中に対応が期待されているWaves64bit版の登場が
移行のタイミングになるかもしれないです。

が、あとは前回も書いた通り負荷。
やっぱりできるだけ負荷の少ない状態で軽快に動かしたいですから。
その意味ではWavesだけではまだ移行はできないかなとも思ったりもします。


なお、前回Bridge経由だと少ないものでも10%くらい、多いものでは倍近く増えると
書きましたが、バッファーが4864サンプルでのことです。
128256とかならほとんど問題にならないレベルかもしれません。
この辺はまたWavesの64bit版が出た頃にでも検証してみます。

僕のよく使っているもので対応していないものは
IK Multimedia、UAD-2、PowerCore、BFD2
RealGuitar2/Strat/LPCといったところです。
AddictiveDrumsもそうでした。これはあまり使っていないんですが。

音源系はVEPro32bit版という回避策があるので、別に構わないのですが、
UAD-2やPowerCore、IKのエフェクト系はBridge経由で使うしかないので、
これもWavesの次に大きな理由ですかね。

そんなこんなでいまはCubase32bit+VEPro64bitという組み合わせで
テンプレートも作成し、快調に制作を進めております。

いま作っている歌モノ、トラック数がかなり多くなっているアレンジの終盤でも
96サンプルくらいで安定動作しているのは嬉しくなります。
BGMなどで音数、トラック数の少ないものなら、4864サンプルのままで
完パケできてしまいますね。トラックそこそこ多くても行けそうなくらい。
この点で再びWindowsに移行したようなものですから、大満足です。

そういえば、先日Cubase6が発表されましたね。
Ver.6のMacでのパフォーマンスどうなっているか、
特に待望のMacの64bit版はどうなっているでしょうか。
Windows7に移行したとはいえ、興味津々です。