2011年10月21日金曜日

Cubase 32bitか64bitか~2011年秋~

随分更新が滞っておりますが、今年の初め頃、Cubaseの32bitと64bit、
どちらを使用するのがよいかということについて書きました。

この件で検索して見に来られる方もおられるので、
いつまでも以前の情報ではいけないと思いましたので、
簡単に現状をみてみたいと思います。

あれから9ヶ月以上経ち、状況は随分変わってきました。
5月くらいでしたか、IKのARCとT-RackS3、Amplitube3が64bit対応したのを機に
メインを64bitにしました。ARCの対応だけで、ある程度負荷が減らせたからです。 

それ以降、64bit版に移行しました。

その後Real GuitarシリーズやBFD2(public beta)も対応し、
64bit環境もかなりよい感じになってきました。

Waves、UAD-2といった主力のプラグインエフェクトがまだ未対応ですから、
CPU負荷はもちろん32bit版よりも若干増えてしまいますが、
これくらいなら、Core i7搭載PCだと問題はないと思います。
さすがにバッファー48で使うには完全対応が必要ですが、
128なら問題ないです。

やはり32bit版では曲作りをしていて、メモリー不足のために動作不安定になることが
割とありました。
ソフトシンセのメモリーはVienna Ensemble Pro(以下VEP)で
分散させることができますが、大量のVEPを起動して、
プラグインエフェクトも多用する曲作りの終盤では、
32bitでは厳しくなりがちだったのが実情です。
(実メモリー2.7GB以上で落ちます。理論値の4GBまでは使えないと思います)

64bitにしてからは、そのような心配は一切無く、安心して制作を進められます。

あとCubaseでは32bitと64bitは同一ファイルですから、
必要に応じて32bitと64bitをフレキシブルに使い分けることができます。

Cubaseのよいところは、プラグインが自動的に置き変わってくれるところです。
どういうことかというと、例えば僕の場合、64bitで使う時には
UAD-2はVST Bridge、WavesはjBridgeで使用しています。

でも、これが32bit版で起動した時には、自動的にネイティブ版のUAD、Wavesに
置き換えてくれるのです。
そして32bitでWavesやUADのパラメーターを弄った場合、
それが次に64bitで起動した時には、VST Bridge、jBridge経由のUAD,Wavesにも
きちんと反映されているのです。
これは大変ありがたいことです。

例えば制作の大半は64bitで行い、これからミックスをするという段階になったら、
ソフトシンセをすべてフリーズします。
そしてその状態で一旦セーブして64bitを終了させ、
その後そのファイルを32bitで開きます。
そうすると、ミックス時は32bitネイティブのWavesやUADを小さい負荷で
使うことができます。

また最近はミックスも64bitのままでやることが多いですが、
部分的に32bitを使う場面もあります。
例えばVocalのEditをする時にWavesのVocal Riderでざっくりオートメーションを書き、
その後詰めていくことがあるとします。
64bit版ではサイドチェインが使えないため、
その部分のエディットだけ32bitで作業します。
で、オートメーションデータを書き込んだら、セーブして終了し、
同じファイルを64bitで開きます。
すると、Vocal Riderは自動的にjBridge経由のものに置き換わり、
オートメーションデータはそのままきちんと残っているので、
ここから詰めの作業は64bitで行うことができます。

このように現時点では状況に応じて、32bitを使いつつ、
大半は64bit、という具合になっております。