2011年4月27日水曜日

LPMの設定について

前回書いていた通り、LPMの設定についてです。
LPMはLink Power Managementの略で、簡単にいうと電源管理機能です。
HDDなどのデータ転送がない時に、低電圧状態にし、消費電力を抑えるようにしてくれます。

これが有効になっていると、具体的にどんな不具合があるかですが、
簡単にいうとフリーズ状態になってしまうのです。

僕はいまシステムディスクをSSDにしていますが、
何かの都合で作業を一時中断してPCを15分くらい何も触らないまま放置したとします。
5分くらいすると、スクリーンセーバーが動き出し、15分後にはディスプレイの電源も切れます。
そして戻ってきてマウスを動かすと、画面はすぐに復帰しますが、
その後1分ほどマウスもキーボードも全く反応しなくなってしまいます。
で、しばらくすると「あ、動き出した、なんだ完全に固まったわけではなかったのか」
と思い、作業に戻るわけです。

ネットで見かけるSSDのプチフリーズってこれなんでしょうかね?
ただ、通常連続して作業している時は全く問題ありませんし、
プチフリはJMicron602コントローラー特有の問題とも聞いているので、
そういうのとも違うんではないかとも思いますが、
いずれにしても復帰後すぐに作業できないのは困りますね。

原因はデフォルトだとLPMが有効になっているから、
しばらく何のデータ転送もない状態だと、
フリーズしたようになってしまうんではないかと思っています。
実際LPM無効化以後はそういうことは起こっていません。

なので、DAW用としては無効にしておく方がよいと思います。
電源オプションの設定でHDDをスリープしないっていうのもありますが
それだけではLPM無効化にはなっていないはずです。

では、簡単に無効化の方法を書いておきます。
これはレジストリを弄ります。
ですので、初めにお断りしておきますが、これを読んでやってみようとされる方は
くれぐれも自己責任でお願いします。
不具合が出たからと苦情を言われても、こちらでは責任が取れませんので。

レジストリエディターを起動して、次のキーを弄ります。
表示が小さいと思うので、クリックして拡大して下さい。













キーのある場所、超長い名前ですね~。それにどのPCでもこうなんでしょうか。
細かい名前はともかく大体この辺りにあると思います。
設定される方は画像をクリックして拡大してご覧下さい。
何なら画像をダウンロードしてビューアーなどでさらに拡大してください(^ ^;)


WindowsXP時代はこんなことを一々設定したことはないですので、
Windows7だからなのか、あるいはSSD固有の問題なのか。
システムディスクがHDDのWindows7を使ったことがないので、
何とも言えませんが、
問題のある人はこれが一つの解決法ということで、
ご参考になれば幸いです。

2011年4月21日木曜日

Micron Real SSD C400 512GBを導入

先日IKのAmplitube3.5が出ましたね。
ついに64bit対応ですよ!
ま、これだけではCubase64bit版への移行のきっかけにはならないのですが、
今後T-RackSやARCなど、全製品の64bit対応に期待が膨らみます。

さて、今日の本題ですが、
最近Micron Real SSD C400の512GBを買いました。
現時点では決して安いとはいえないのですが、
考えていたC300 256GBが思ったほど値段が下がらず、
たまたまC400 512GBが特価で出ていて、
それがC300 256GBの倍くらいだったので、
2台買うと2ポート使うけれど、これだと1ポートで済むではないかと前向きに考え、
先行投資ってことで買うことにしました。
画像はネットの拾い物です。写真撮る前に組み込んでしまったので。















C400といえば、最大リードが415MB/s。
現在使っているIntel X25Mが270MB/sくらいですから、
かなりの速度向上を期待していました。

しかし、ソフトシンセのライブラリー読み込みに関していうと、
モノによってはほとんど変わらないこともあります。
例えばSpectrasonicsのTrilianがそうです。
IntelのSSDの1.5倍くらいにはなるんではないかと
期待していたんですが、これはほぼ変わらず。
ひょっとしたら僕のところだけってこともあるので、
断定的なことは言えませんが、
その点では期待外れではありました。

ただ、512GB(フォーマット後は476GB)あると、
かなりのライブラリーをSSDに移すことができたので、
とても快適であることは確かです。

おそらく速度向上を図るにはRAIDを組むことでしょうね。
それでもTrilianの重いパッチを瞬時にロードというのは無理でしょうね。
数秒縮めることはできるとは思いますが、
別にロード時間を競う競技をしているわけでもないので、
いまのところ、RAIDは考えていません。
ノーマルでも十分に快適ですから、そこはRAIDを組むよりも、
容量を増やして、できる限り多くの音源をSSDに移すことに
重きを置きたいと思います。
それが結果として大きな効率化、快適さに繋がりますからね。

例えばQL Pianosっていう素晴らしいピアノ音源があるんですが、
普段は重くて使っていません。
僕の場合はIVORY2がメインです。
でも3つのマイクによる響きは絶品でここぞという時は使います。
ただ、ロード時間が半端ではないのです。

7200rpmのHDDの時はSteinwayの1マイクを読むだけで2分以上掛かりました。
しかし、C400に入れると、これが20秒で読んでくれます。
全部入れると260GBを使ってしまうので、とりあえずいまはSteinway全部と
Bosen&YamahaはPlayerポジションのマイクのみSSDに移しました。
残りはHDD。
使用頻度低いものがまだ十分とは言えない容量のSSDの大半を占めるのは
効果的ではないですので、いまはこれで満足したいと思います。

あと今回内蔵3.5インチベイに取り付けるマウンターが届くのに時間差があったので、
その間eSATA接続の裸族の二世帯住宅2.5に入れて
データを仕込んだり、試用したりしておりました。

eSATAといえば、2月5日のブログで、これではSSDのメリットを活かせない、
7200rpmのHDDでもそれくらいのベンチマークは出るぞ、
というようなことを書き、却下したわけですが、改めて使ってみて、
そんなに悪くない、というか、結構快適だと感じました。
あの時はベンチマークだけを見て、これは駄目だなと思い、
実際の使用感を試すことはしなかったのですが、
ベンチマークだけでは分からないものです。

もちろんSSDの性能をフルには活かせません。
例えばHDDだと40秒近く掛かるTrilianのパッチ。
これが内蔵ポートに付けたSSDでは10数秒ですが、
eSATAだと20秒ちょい。倍くらい掛かってしまいます。
ただ、ランダムアクセスに優れたSSDは
eSATAでもHDDでは味わえない快適さがあります。
軽いパッチだと内蔵ポートとeSATAはほとんど変わりませんでした。

この結果を受けて、もし内蔵ポートに空きがないなら、
eSATAを使うのもありだなと、認識を新たにしました。

ほんとは今日のブログで、SSD導入の際に是非設定しておきたい
LPMの無効化について書こうかと思っていたんですが、
長くなったので、次回に回します。

2011年4月7日木曜日

Cubase6バージョンアップ

少し遅れましたが、Cubase6にバージョンアップしました。
A5サイズのコンパクトなパッケージ。製本マニュアルはクイックスタートのみ。













まだほとんど試していない状態ですので、詳細は書けませんが、
バージョンアップのメリットとしてはCPU負荷が下がること、視認性がよくなること。
少なくともこの2点は挙げられると思います。
今回はCubase5.5.3がすでに入っているところへ
Cubase6もインストールするというシチュエーションになっております。

これまで同様バージョン違いは同じOS内に同居可能です。
ただし、Cubase5が入っている場合、Cubase6の初期設定ファイルが
正しく作成されないことがあります。
その場合はCubase5の初期設定フォルダを別に場所に移動させておいて、
Cubase6を起動し、6の初期設定フォルダが作成されたのち、
Cubase5の初期設定フォルダを元の場所に戻せばよいでしょう。
初期設定ファイルの場所はWindows7では次の場所です。

C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Steinberg

この中の「Cubase5」「Cubase5_64」フォルダを別の場所に移動させておきましょう。
ただ、この場合Cubase5からの設定が自動では引き継がれませんので、
ショートカットなど各種設定でCubase5のものを引き継ぎたい場合は
面倒かもしれませんが、「Cubase5」フォルダから「Cubase6」フォルダへ
コピーしましょう。
フォルダの構造は基本的に同じですので、同じ場所にコピーすればOKです。
どの設定がどのフォルダ、ファイルなのかはマニュアル等でご確認下さい。

さて、今回はとりあえずCubase6の負荷についてだけ簡単にまとめておきます。
Cubase5.5.3で作成していたプロジェクトファイルを
単純にCubase6で開いてVSTパフォーマンスのメーター値を比較します。
VSTiは20個ほど、エフェクトはUADやWavesなどを多用、
その他マスタリング系の重めのものも使用しています。


Cubase5.5.3(32bit)、バッファー64サンプル







Cubase6.0.0(32bit)、バッファー64サンプル







厳密ではありませんが、大体同じ秒数のところで撮っていますから、
負荷の違いが分かります。劇的な差とはいえないですけれどね。
実際に走らせている感覚では軽いというのがもっと分かると思います。

ちなみに同じファイルを64bit版で読み込んで測定したのは次の通りです。
Cubase5.5.3(64bit)、バッファー128サンプル






Cubase6.0.0(64bit)、バッファー128サンプル






こちらはほぼ同じくらいですが、実際に走らせている感覚では
Cubase6の方が少し軽いと感じます。
ただ、前からも書いている通り、64bit非対応のプラグインがVST BridgeやjBridgeで
動いておりますので、その分5と6での差が出ていないといえそうです。
ちなみに32bitと同じバッファー64では再生できませんでした。
(レッドランプ点灯、バリバリノイズが入ります)
そのため128にしています。
おそらくすべて64bitネイティブのプラグインで作ったとしたら、
5と6の差は32bit版と同等の差が出るのではないかと思います。

とりあえず今回はこんなところで。
Cubaseネタばかりが続いているので、次回は他のプラグインについて書いてみたいと思います。