2011年1月30日日曜日

Windows7 64bitでのCubase環境構築~その他諸々



今回はWindows7 64bit環境構築の際の細々したことを書いていきます。

●PowerCoreX8認識せず

最初PowerCoreX8が認識しませんでした。
サポートに確認したところ、IEEE1394のドライバーをTIやVIAのドライバーでなく、
Legacyドライバーにすれば解決することがあるとのことでした。

試してみたところ、バッチリ解決しました。

ちなみに僕の新しいPCにはIEEE1394aポートが3つありまして、
マザーボード(ASUS P6X58D-E)に搭載されているもの(VIAチップ)が1ポート、
PCIスロットに増設したCENTURY ポートを増やしタイCIF-FW4P3(TIチップ)に2ポート
となっています。

TIの方にはFireface800を接続しており、これはTIのまま活かしておきたかったため
(安定動作もしているし)、VIAの方をLegacyドライバーにしました。

PowerCoreは特にTI必須でもないようですので、問題なく使用できております。

●USBポートの電源供給がPCシャットダウン後も止まらない
これはUSBドングルやバスパワーで動作するUSBキーボード
(Novation ReMOTE61SL)の電源がずっと入りっぱなしになってしまうので、
気になるところです。
案外マザーボード付属のUSBなどはこういう仕様のものが多かったりします。
PCの電源のスイッチを切ればもちろん解決ですが、それもいちいち面倒ですので、
PCIのUSBポートを増設して、そちらにドングルなどを繋ぐことにしました。
これだと、PCをシャットダウンしたら、電源は供給されないのでバッチリです。

Macはきちんと電源供給も止めてくれたんですがね~。

●Wavesの読み込みが遅い(Microsoft Security Essentialsとの関係)

 Microsoft Security EssentialsはOS標準のウィルス、スパイウェアチェックソフトですが、
 これまではこの手のソフトは常駐させないのがDAWの基本だったように思いますが、
 今回はまずオンにして動作を確認してみようと思い、
 現状はリアルタイム保護オンで使っております。

 ただ、これをオンにすると、PCを起動させ、OSが立ち上がってから最初のCubase起動時、
 プラグインスキャンでWavesで40秒程度だったか、正確に測っていませんが、割と長い間
 止まってしまいます。

 これを回避するにはリアルタイム保護をオフにすればよいのですが、
 完全にオフにするのはちょっと気が進みません。
 
 というわけで、Wavesのプラグインフォルダだけ検索場所から除外します。

 Microsoft Security Essentialsを起動させ、
 設定>除外されたファイルと場所 を選択し、追加をクリックする。
 そしてWavesのPlug-Insフォルダを選択します。
 通常のインストールだと次の場所になると思います。

 C:\Program Files(x86)\Waves\Plug-Ins

 そして設定を保存します。

 これでCubase起動時、Cubaseの方のWavesのスキャンは瞬時に済みます。
 
ところで、除外にしたファイルはセキュリティ上、大丈夫なのかということですが、
Wavesのプラグインファイルですから、まあ大丈夫でしょう。それにこれまでのチェックで
Microsoft Security Essentialsだけでなく、他のものでチェックしても
スパイウェアなどが検出されたなんてこともないですので。

気になる人は、最初少々時間が掛かりますが、除外しないでおくという手もあるし、
時々除外から外してスキャンするのもよいでしょう。
あるいは別のウィルス対策ソフトもよいかもしれないです。

なお、リアルタイム保護オンの状態でノイズや音飛び、音切れなどの問題は
現時点では全く起こっておりません。

2011年1月24日月曜日

Cubase32bit版か64bit版か

前回Cubase64bit版はしばらくお預けにするというところまで書きました。
今回はその理由を書いていきたいと思います。
なお、これはすべてのWindows7 64bitユーザーに当てはまるとは限りません。
あくまで僕個人の話というのを一応前提にして頂ければと思います。

※2011年5月以降64bitメインにしました。10月21日更新記事参照

さて、64bit版で32bitプラグインを使用する場合、
jBridgeを使う方法とCubaseのVST Bridgeを使う方法があります。
現状本格的に64bitで稼動させるためには両方があるとよいかもしれません。

VST Bridgeが好ましいもの
・SampleTank2
 jBridgeでマルチアウトを行うとクラッシュしてしまいます。
 試していませんが、おそらくIKの他のマルチティンバー音源も該当するのではないでしょうか。
 SonikSynth2とかMiroslavとか。

jBridgeでしか使えないもの
・Waves(V7での話、V8は未検証)
 これはなぜかVST Bridgeでは認識してくれませんでした。

で、これらを踏まえて、64bitを当面断念した主な理由を書いていきます。

(1)Wavesが64bitネイティブ対応していないこと
 通常使う分にはjBridgeで問題なく使用できます。
 ただし、jBridgeはVST3として読み込んでくれないため、
 サイドチェーンが使えません。
 なので、ベースとキックをサイドチェーンで繋いで、その処理にこだわってみたり、
 VocalRiderでオケのレベルに合わせて動作させるといったことは
 できません。

(2)テスト中にjBridge経由のSampleTankをマルチアウトしようとして
 何度もCubaseがフリーズしました。
 その際強制終了させて、再び開く際、BFD2が組み込まれているプロジェクトファイルが
 BFD2読み込み時にフリーズしてしまいます。
 その際BFD2を再インストールすることで一応解決はしました。
 DLLの入れ替えだけでは駄目でした。

 あと強制終了しなくても、BFD2が原因で止まってしまうことはあったと思います。
 その場合もやはり次の起動時にBFD2のところで止まってしまいます。
 毎回そのたびに再インストールはしていられないですよね。20秒掛からないくらいとはいえ。
 ちなみにjBridgeでもVST Bridgeでも同様でした。
 一番安全なのはVEProの32bit版にBFD2を起動させること。
 これは問題ありませんでした。

 ついでに書くとSampleTankもVEPro32bit版に起動させれば
 マルチアウトも何の問題もありません。


僕の場合はこの2点が最大の64bit延期理由ですね。
なので、2011年中に対応が期待されているWaves64bit版の登場が
移行のタイミングになるかもしれないです。

が、あとは前回も書いた通り負荷。
やっぱりできるだけ負荷の少ない状態で軽快に動かしたいですから。
その意味ではWavesだけではまだ移行はできないかなとも思ったりもします。


なお、前回Bridge経由だと少ないものでも10%くらい、多いものでは倍近く増えると
書きましたが、バッファーが4864サンプルでのことです。
128256とかならほとんど問題にならないレベルかもしれません。
この辺はまたWavesの64bit版が出た頃にでも検証してみます。

僕のよく使っているもので対応していないものは
IK Multimedia、UAD-2、PowerCore、BFD2
RealGuitar2/Strat/LPCといったところです。
AddictiveDrumsもそうでした。これはあまり使っていないんですが。

音源系はVEPro32bit版という回避策があるので、別に構わないのですが、
UAD-2やPowerCore、IKのエフェクト系はBridge経由で使うしかないので、
これもWavesの次に大きな理由ですかね。

そんなこんなでいまはCubase32bit+VEPro64bitという組み合わせで
テンプレートも作成し、快調に制作を進めております。

いま作っている歌モノ、トラック数がかなり多くなっているアレンジの終盤でも
96サンプルくらいで安定動作しているのは嬉しくなります。
BGMなどで音数、トラック数の少ないものなら、4864サンプルのままで
完パケできてしまいますね。トラックそこそこ多くても行けそうなくらい。
この点で再びWindowsに移行したようなものですから、大満足です。

そういえば、先日Cubase6が発表されましたね。
Ver.6のMacでのパフォーマンスどうなっているか、
特に待望のMacの64bit版はどうなっているでしょうか。
Windows7に移行したとはいえ、興味津々です。

2011年1月15日土曜日

Windows7 64bitでのCubase環境構築

このたびブログを始めることにしました。
音楽制作や機材のことがメインになると思いますが、
時には全く関係ない日常の雑多な話題も書いていくかもしれません。

さて、その最初の話題として何がいいかなと思ったのですが、
最近コンピュータ周りを一新しましたので、それについて書いてみたいと思います。

僕のDAW遍歴は追々書くかもしれませんが、
とりあえずここ3年はMacでCubaseを使用していました。

その前はWindowsXPでCubase、NUENDOだったのですが、
32bitOSでのメモリー制限は大容量サンプルの音源を使うには大変厳しかったため、
MacProにすることで少しでもメモリー問題を解消しいと思ったわけです。

ただ、MacOSでのCubaseはWindowsから比べるとデメリットもありました。
それは低レイテンシーでのパフォーマンスです。
Cubase5.5.2とSnowLeopardの組み合わせでは幾分向上してはいるものの、
まだまだWindowsには及びません。

そこで今回コンピュータを新しくするに当たって、どうしようかと検討した結果、
Windows7 64bit環境はかなり安定したものであること、
そして以前ネックになっていたメモリー問題も64bitOSで解消していること等から、
Windows7 64bitでCubase環境を構築するに至ったわけです。

構成としては
OS:Windpws7 64bit Professional
CPU:Core i7 980X
メモリー:DDR3/1333MHz 24GB
ビデオカード:RADEON HD5450 1GB
オーディオI/F:Fireface800
DSP:UAD-2 Quad、PowerCoreX8
ディスク:システム用Intel X25-M SSD 120GB
     あと音ネタやデータ用に7200rpmのHDD 2TB×21.5TB×1

といった感じです。
ディスク搭載スペースはまだいくつかあるし、eSATAで外付けもできるので、
今後どんどん音ネタをSSDにしていきたいと思っています。
250GBが5万円、120GBなら2万円ほどで買えるので、
まずはとりわけ重いもの(Trilianとか)から順に移していきたいですね。

さて、Cubase、64bit版と32bit版、どちらにするかですが、
結論をいいますと、当面は32bit版+VEPro64bitという組み合わせで
行くことにしました。

VST BridgeやjBridgeを使うことで
64bit版でも制作は可能だと思いますが、
やはりBridgeを介すると負荷が増えてしまいます。

もちろんCore i7-980Xのパワーを以てすれば、
十分処理はできますけれど、
使用するプラグインがすべてネイティブ対応している場合に比べると
負荷が平均して10%ほど大きくなってしまいます。
これは使うソフトシンセなどによって変わりますが、
大きいものですと倍以上のものもあります。

現在制作中のある曲では、バッファー6432bitだと4550%でメータが安定した感じなのが、
64bitですと、7085%辺りで結構揺れている感じになります。
レッドランプも時折点灯します。しかし、大したものでノイズにはなりません。

いまネックになっているのは、Waves,UAD,PowerCore,IK Multimediaですね。
それからBFD2も。

おっと、気づいたら結構長文になってしまいました。
とりあえず今回はここまでにしたいと思います。

次回は64bit環境をしばらくお預けするに至った理由を書いてみたいと思います。
どのソフトシンセはBridge経由だとよくクラッシュするとか、
検証した結果を公開したいと思いますので、
これからWin7 64bit環境を構築する人の参考になればと思います。